SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術 -その3- 映画の脚本は15の要素に分解出来る
SAVE THE CATの最終回。今回は脚本について。
過去の記事はこちら。
脚本は15の要素に分解出来る
作者は脚本を書くにあたって、自分独自の構成用テンプレートを作成した。この構成に沿って、1年間映画を分解してみた。その結果、それぞれの映画が面白いほどこのテンプレートに当てはまるかが分かった。これを理解しているだけで、各シーンがなぜ必要なのかを想像しやすくなる。映画が好きな方はやってみることをおすすめする。
1. オープニングイメージ
言わずもがな、ここは映画の第一印象を決める。映画のスタイル、雰囲気、ジャンル、スケールなどは全てオープニングイメージで決まる。オープニングイメージは主人公の出発地点を示す場所でもある。観客がこれから一緒に旅をする主人公の<使用前>の映像を魅せる場所なのだ。
2. 開始5分のテーマ提示
構成がしっかりした脚本では、冒頭から5分あたりで登場人物の誰かが問題を提起したり、テーマに関連したことを口にする(たいてい主人公に対して)。例えば、「よく考えてから願いをかけるのじゃぞ」とか「お金よりも大切なのは家族でしょ」といったセリフである。ここまであからさまでなくても、会話の中の何気ない一言として表現されることもある。
3. 開始10分のセットアップ
4. きっかけ
人生を変える瞬間(良いこと/悪いことどちらの場合もある。)
5. 悩みの時
よく考えるための時間。自分の目標は実現不可能なんじゃないかと疑問に感じ、色々悩む。ここで重要なのは、何かしらの疑問を抱くということだ。
6. 第一ターニングポイント
なんとなくではなく、自らの意志で古い世界を出て、正反対の世界へ進む。
7. サブプロット
ターニングポイントの衝撃を和らげながら、STORYを進めるブースターロケット役。ちょっとした場面転換で息抜き。複数の作品を分解してみると、本当にどの映画も本パートが存在することが分かる。脚本家は気づかぬうちに息抜きする場所を盛り込んでいるのだ。
8. お楽しみ
ポスターや予告で伝えている一番おいしい部分。スパイダーマンで言うと力を初めて使う時。
9. ミッドポイント
主人公が絶好調か絶不調になる。ただし、見せかけの。そして危険度がいきなりアップする。
10. 迫り来る悪い奴ら
悪い奴らが再び一致団結してパワーアップして主人公を襲う。悪い奴らは諦めない。主人公は助けを呼ぶ場所はない。ピンチ...しかし目の前には滝...
11. すべてを失って
ミッドポイントと全く逆の展開。ミッドポイントで絶好調であれば、ここでは絶不調。逆もしかり。さらに、ここで死の気配が感じられる。
12. 心の暗闇
全てを失ってで死の瞬間を経験した主人公は深く考え、心の奥底を探る。絶望的になったり、自分が小さな存在であることを知ったり…
13. 第二ターニングポイント
メインストーリーとサブストーリーが出会う地点でそれによって主人公はついに解決策を見出す。主人公は好きな女の子から解決のためのヒントを貰い、解決策する方法が見つかる
14. フィナーレ
第三幕で全てのまとめである。教訓を学び、主人公の直すべき点が直り、主人公が勝利して終わる。古い世界は新しい世界へと代わり、新たな秩序が生まれる。
15. ファイナルイメージ
本物の変化が起きたことを見せる場所である。
今後は、この方法に習って鑑賞作品を分解し、ブログに載せたいと思う。