※ネタバレあり『ダンケルク』感想・考察

 9/9(土)公開のダンケルクのネタバレ・感想。監督は「インセプション」「インターステラー」などで有名なクリストファー・ノーラン。ノーラン好きな私は、公開初日に足早に劇場へと向かった。

 

 

映画鑑賞前の印象まとめ

  • 実際の出来事を映画化している
  • 戦争で追い詰められた40万人のうち、33万人を救ったダンケルク作戦
  • 監督がクリストファー・ノーラン
  • 監督だけで見に行くことを決める
  • ノーラン監督には珍しいドキュメンタリーテイストの映画
  • ノーラン監督は、CGやデジタルカメラを極端に嫌う
  • 実際、過去作品もインセプション以外はCGはほとんど使用していない
  • インセプションでも出来る限り、実写で撮影した
  • 例えば、電車が街を走るシーンは実際に電車に車輪を付けて町中を走らせて撮影した
  • 今回も戦闘機を調達し、映画用に改造した
  • 上記より、戦闘の緊迫感や迫力が期待出来る

  

 

概要

 「ダークナイト」「インターステラー」のクリストファー・ノーラン監督が、初めて実話をもとに描く戦争映画。史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていく。この事態に危機感を抱いたイギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じ、1940年5月26日、軍艦はもとより、民間の船舶も総動員したダイナモ作戦が発動。戦局は奇跡的な展開を迎えることとなる。出演は、今作が映画デビュー作となる新人のフィオン・ホワイトヘッドのほか、ノーラン作品常連のトム・ハーディキリアン・マーフィ、「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランス、ケネス・ブラナー、「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズらが顔をそろえている。

 

eiga.com


 

 

 

 

監督・脚本

 クリストファー・ノーラン

 

※以下ネタバレを含みます。お気を付けください。

 

 

ログライン

 「絶体絶命の地「ダンケルク」、残り時間わずか。それでも諦めずに生き抜け。」

 危機的状況。それでも生き抜く必要がある。これがSAVE THE CATで言う皮肉。そしてダンケルクからどうやって生き延びるの?というイメージの広がり。

 

ジャンル

 「難題に直面した平凡の奴」

 どこにでもいそうおな奴が、とんでもない状況に巻き込まれる。つまり、観客が自分にも起こりうると観客が思うストーリーの1つなのだ。このジャンルは2つの単純な要素で成り立っている。1つは主人公が観客と同じ普通の人間であること。もう1つは、そんな普通の人間が勇気を振り絞って、解決しなければならない問題に直面したということ。

 自分よりも若い18歳ほどの人間たちが攻撃から生き延びる。しかもそれを救う人々も一般人。構造はタイタニックと同じ部類。

 

脚本サマリー

1. オープニングイメージ

 町中にいるだけで銃で撃たれるシーンから。イギリス人と言うと、撃つのを辞める狙撃手。1分ほどだったが、これだけで「戦争中」「イギリス人の視点」「生き延びるのが過酷」という前提を理解することが出来た。

 

2. 本作のサマリ

 「本作は3つの視点で描かれる。」とナレーションで映画の構造を説明。

  1. 防波堤:1週間の出来事
  2. 海:1日の出来事
  3. 空:1時間の出来事

 本作は、異なる時間軸の3つの視点が目まぐるしく入れ替わり進む。そして、時間軸はラストシーンに全てが終わるように構成されている。つまり、防波堤はどんどん時間が進み、空のシーンは1時間をゆっくり描いている。そして、どんどんクロスオーバーしていく。

 

3. 本作のゴール提示

● 防波堤
 浜辺にはたくさんのイギリス兵士。明らかに士気が低い。1,000人くらい。行列を作って船を待つしかないが、次々と来る空からの攻撃。船が来る量も少ない。彼らはここから脱出することがゴール
 
● 海
 とある一家(民間)の救助船。父と2人の男兄弟が防波堤の人間たちを助けに向かう。防波堤の人々を救出することがゴール。ちなみに実際のダンケルク作戦では、700〜800もの民間の船が救助に向かったらしい。感動的ですね。
 
● 空
 3台の戦闘機。防波堤の人々の救助を空から援護することがゴール。戦闘機vs戦闘機のシーンはかっこいい。
 
オープニング以降、永遠に戦争が続く本作。休憩する暇もなく、常に緊張しっぱなし。以下感想を述べる。

 

感想

GOODポイント

1. ド迫力。そして緊張感。

 徐々に自分に近づいてくる冒頭の空爆シーン。音も、映像も迫力が凄い。ただ、これは映画館じゃないと絶対に感じられないと思う。私は4DXで鑑賞したのだが良かった。自分の後ろから爆撃の音が聞こえ、本当にその場にいるかのような体感が出来た。

本作を鑑賞予定の方は、是非映画館で見ることをおすすめします!!映画館でこそ、本作の良さを実感出来ると思います!

 

2. 音・おと・OTO

 劇中常に耳にする「チクチク」という音。この音がどんどん早まっていく時に得られる緊張感。素晴らしいです。

 

3. リアルな戦争体験

 1、2にも近いが、次々に襲い来る空爆。戦闘機からの攻撃。壊される船。船から脱出し、海を泳ぐ人々。そして次の船に乗り込む。その船にも襲い来る攻撃。そして、また沈没する船...。これが繰り返される。残酷な世界で見ているのが辛い。でも戦争のリアルを教えてもらった気がする。

 

 

イマイチポイント

1. 群像劇

 本作に明確な主人公はいないので、主人公に感情移入したい!ってヒトには向かないかもです。ちなみに僕は、ハクソーリッジのように1人に感情移入した方が楽しめる人間です。

 群像劇にした理由は、40万人が主人公であるという事実を元にした作品であること、ダンケルクの戦いを体感しやすいようにした結果だと思います。

hacksawridge.jp

  また、群像劇作品であるが故に下記特徴もあります。

・圧倒的に少ないセリフ。映像と音を楽しむ作品

・セリフが少ない故、大きな物語性はない。

・主人公はいない。だから人間に感情移入する作品ではない

 上記を受け入れられるかどうかで本作のおすすめ度は変わると思います。

 

 

 

という感じです。

本作鑑賞で一点の後悔がある。

「途中で寝てしまった...」

いや、レイトショーで見たということもありますが、中々ゆっくり進むので割と眠かったです。みなさんは日中の目がぱっちりした時間に見てくださいね。 

 

おすすめ度

 3.1 / 5(ラストで寝たため、感動があまりない)

 

ダンケルク見たヒト、感動ポイント教えてください...!コメントください!